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五感生活 二十四節気「立春」

 

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目 次 


〔五感の二十四節気〕***************
立春
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暦の上では、もう春。
立春です。
外はまだ寒い日が多いけれど、それでも「三寒四温」の様相を示し始めた気配。
かなり暖かい昼間。日差しはぽかぽか。
でも、夕刻にぐっと冷え込んで、また朝は冷えきってしまう。
そんな日々がしばらく続きます。
植物も必死に生きています。
そろそろ芽吹く準備をしている気配もあれば、
何とか雪をよけようと工夫をしている種もあります。
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椿のつぼみは、葉の下に頭を下げている。
それは「雪を避けている姿勢なのてす」と、植物に詳しい知人に教えていただきました。
そう思って見れば見るほど、風情がありませんか?
雪を避けようとしている、美しい女性の姿?
調べてみると、「椿のつぼみが、葉っぱの上に出ている年は小雪」といわれるのだとか。
反対に、「つぼみが葉の下にできる年は大雪」。
ということは、まさしく今年の東京の椿の姿そのもの。
自然は世界の変化をよく知っている!今年の気候に対応てしている!
つぼみの着く形で、その年の雪の降り方がわかるのだとすれば。
凄い!
おそらく、冬になるまでのその季候の状態から、先を予測し、自然に防御の姿を作るのでしょう。
ではなぜ、椿は敢えてこんな極寒に一人咲くのでしょうか。
こごえそうなこの時期に?他の花がほとんど無い時期に?
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椿は、鳥に花粉を運んでもらう「鳥媒花(ちょうばいか)」。
冬の時期は虫が少なく受粉を虫に手伝ってもらえない。
それは同時に、他に花が少ないから目立つ。鳥が花を目指して飛んできて、花
粉を運ぶ作業をしてもらいやすい。
つまり、椿が独占できる。
敢えて真冬を独占する、椿の花。
スバラシイ生存戦略。
強い生命力。
も豊富に分泌されてとても甘いのだそう。
何かの力を手助けにして、上手に生きぬいていく。
そして、お茶の木も鳥媒花。ツバキ科ツバキ属チャ節、お茶と椿とは親戚ですものね。
学ぶところが多いな。
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そして、極寒の時期にまず咲く、黄色の花。それがまんさく。
東北地方のなまりで「まんずさく」から「まんさく」となったそうです。

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五感生活 二十四節気「大寒」

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目 次 


〔五感の二十四節気〕*************
 大寒          
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2018年、東京の「大寒」は、大雪でした。
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どんどん積もる。みるみる積もる。
そのうち銀世界。
朝起きれば、23センチの積雪。
通勤・通学の方々、ご苦労お察しします。
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魔法のように、一夜で変貌してしまう世界。
大人になっても、その神秘には震えてしまう。
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雪の上に、はらりと落ちた松葉一つ。
誰の手も、介していないけれど。
ステキなデザイン。
竹藪の雪にもびっくり。
見たことのない風景があったのです。
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東京に雪が積もった時、この小さな公園に必ずできている。
雪だるまの不思議。
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五感生活 二十四節気「小寒」


目 次 


〔五感の二十四節気〕*************
 小寒           厳しさの向こうにある、あたたかさ
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いよいよ一年で一番寒い時期になりました。
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二十四節気にきちんとあわせるように、東京も寒の入りの1月5日は、
日中の気温が5度までしかあがらず、
どよんとした曇り空の下で凍えています。
雪もはらはらと落ちてきそうな、小寒。
 
これからは節分まで「寒」。じっと寒さをこらえましょう。
できれば寒さゆえの風景、寒い時でしか会えない何かと
出会いたいもの。
そこでこの時期にぜひご紹介したいのは、
与謝蕪村作『夜色楼台図』(やしょくろうだいず 国宝)。
初めて見た時の印象は、不思議なことに、
雪の夜なのに、なにぜかあたたかいという感じでした。
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町がほのかに光っている感じ。
生活の光なのでしょうか。
暮らしの気配も感じられます。「与謝蕪村 夜台」の画像検索結果
この絵は、「水墨画に似て水墨画にあらず、山水画に似て山水画にあらず」と言われます。
たしかに、水墨画とはちょっと違う。
何が?
水墨画にあるような、どこか神秘的な渓流や険しい崖、厳しさ、都会から遠く離れた幽郷などではなく、すぐ近くのどこかにありそうな普通の日本の町を描いていること。にぎわいが感じられること。人肌の温度が感じられること。
 
この風景は、京都東山の麓の町並を描いた、というのが定説だそうです。
大阪に生まれ、江戸に出た後、最後に腰を落ち着けた京都。
蕪村は京都で絵師として晩年を過ごしました。この絵もその頃に描かれたものとか。
蕪村は、1716(享保元)年、摂津国東成郡毛馬村(現大阪市都島区毛馬町)生まれ。
でもあまり詳しいことはわかっていないそうです。
わかっているのは大阪出身で、俳諧を学び詩・書・画に励み、
敬愛する松尾芭蕉の「奥の細道」の跡を遊歴するなど、
芭蕉をトリビュートしていたということ。
一度は出家し、僧侶となり、また俗人へと世俗に戻ってきた自由人。
旅を愛した放浪の人。
孤独を知っている人のやさしさが、じわっと滲み出てくるような「夜色楼台図」。
技法には、独特な工夫がこらされていました。
紙に胡粉が塗られていて、その上に町が描かれているのだそうです。
そのため、胡粉が光を反射して、
うっすらと明るい感じを表しているのだ、と言われます。
しんしんと降る雪。
屋根の雪も胡粉を使って描いた蕪村。「与謝蕪村 夜台」の画像検索結果
厳しい自然の美よりも、
人が肩寄せて集まって暮らすほんのりしたあたたかさを、
光の工夫によって浮き上がらせた一枚。
かつて、真冬の新幹線の車窓から、非常に似た光景を目撃したことがあります。
どきっとしました。場所は京都ではなく、その手前、岐阜県あたりだったと思いますが、
雪に降り込められた町の様子が、蕪村の絵にそっくりそのままだったから。
雪によって適度に人工物を隠された郊外の町は、江戸時代の京都の風景とあまり変わらずに
映るのかもしれません。
一年で一番寒い小寒に、
美しいものを発見できました。
蕪村ラブ。厳しさの向こうに優しさが滲む人。
「春の海終日のたりのたり哉」の句を生んだだけありますね。

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2018-01-01 五感生活 元旦


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目 次 


〔五感の二十四節気〕*************
 
元旦
 
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2018年、新しい年の始まりです。       戌年の犬筥(いぬばこ)@東京国立博物館
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今年もどうぞよろしくお願いいたします。
犬筥とは、幼子の顔をした雌雄一対の犬。和紙の張り子の犬に、美しい色彩で装飾が施されています。
安産の象徴として、またこどもが丈夫に良く育つことを祈り無病息災のお守り等として作られてきました。左向き(向って右)が雄。右向きが雌で、かつては白粉なども納められたそうです。
おめでたいアイテムとして、もう一つ。大黒様です。
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こちらも東博でお目にかかりました、素晴らしい木彫。
頭巾を被って、右手には打ち出の小づち、左の肩にを担いでいて、足下には米俵。
木造なのに、このリアルな曲線。すばらしい。足で上手にバランスをとる感覚まで伝わってきます。
袋の重たい感じも。
では、このたっぷりとした袋の中にはいったい何が?
人間にとって最も重要な七つの宝物が 入っていると言われています。
その七宝とは…金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)の7種(観無量寿経による)。
物質的な宝物ではなく、寿命、愛嬌、大量、清麗、人望、威光 という説もありますね。
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に目を凝らすと、見えた! 何か文様が。
もっとアップで見てみると、0109.JPG
その一つは宝珠でした。
ほら貝や、果実も描かれています。
この発見、何だかとてもありがたい気持ちになりました。

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五感生活 二十四節気「冬至」



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目 次 


〔五感の二十四節気〕*************
 
 冬至
 

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冬至です。夕方、すぐに暗くなってしまう。寒くて心寂しい気分になる夕刻。top.JPG



一年で一番、昼が短い時期ですから、仕方ありません。
考えようによっては、冬至こそ、めでたい。これから太陽の光がだんだんに強まっていく、

そう、太陽の誕生日です。超ポジティブシンキングです。















 


玄関の扉を開けると、ふわっと香る柚子。

それは、京都・水尾から届いたばかりの、芳香。


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その香りを嗅いだとたん、冬の厳しさが、ふっと緩み、癒やされるような気がします。
冷たい空気の中で、いや、冷たいからこそ、こんなに美しいものが生まれるんだな。
冬が育てた輝かしい実なんだ。




歴史的には、柚子は奈良時代には渡来していたといわれています。

「続日本紀」(797年)によれば772年6月、「往々にして京師に隕石あり、その大きさ柚子のごとし」つまり、落下した隕石が「柚子ぐらいの大きさだ」という記述が。そのよういえば伝わる、ということは、すでに日本人に暮らしの中で柚子がなじみのある植物であったことが推測されます。


 

京都・嵯峨水尾の柚子は、14世紀初頭、花園天皇が水尾の地に植えたとされ、日本の柚子栽培発祥の地と言われています。ここの柚子は実生(種から栽培する事) から育てられ、高級料亭などへも納められている非常に立派なもの。

水尾の村落ではこの季節、柚子湯と鶏鍋を出してくれる民宿的な料理店がいくつか。

yuzufuro.jpg柚子湯のいい香り



一人前の実が生るまでに、種からだと20年もかかってしまうため、最近の大きな産地のものは接ぎ木して育てているそうですが、水尾では古木が多くしかも他の種と交わることなく日本古来の柚子の香りを保ってきたのだそうです。


 

そもそもは大陸から伝わってきた柚子。

千年以上の時を超え、今でも日常の中で愛されている不思議。

絞った時のあの、爽やかな香り。




皮の油胞(小さいツブツブ)には、ゆず特有の強い香り成分「ユズノン」が含まれていて、

あたりを埋め尽くす芳香にうっとり。
柚子湯にしたり、ユズコショウのように調味料として使ったり。
その他「リモネン」や「ピネン」などの香り成分も含まれていて、ゆったりと心をリラックスさせる効果もあります。


砂糖.JPG水尾でいただいた柚子の砂糖漬




花言葉は、「健康美」「汚れなき人」「恋のため息」。5~6月に咲かせる白い花が実に美しくてよい香り、純粋な印象です。


いつもは鍋に入れるポン酢に使ってみたり、ジャムにしたりしてきたのですが、今年はちょっと風変わりなものにしてみました。

じゃーん、「柚子まんじゅう」です。



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固くなった饅頭をちぎって、柚子のくりぬいた皮の中に詰めてから、蒸す。
すると、芳香とあんこが溶け合う、優雅な世界が現れます。


表千家『同門』という会員誌の中、「菓子珊珊」という頁で紹介されていた柚子の活用方法です。
「柚子の中味を掻き出し、子供の粘土工作の様に饅頭をちがっては入れる。出来上がりの模様を想像しながら、しっかりつめる。蒸し上げ、庖丁を入れる時、はたして景色はどうかと、わくわくし、満足感も一入、手造り菓子ならではの満悦の瞬間である」(p14)


 前回、収穫時にその実をすべて収穫しない「木守柿」のお話をしました。実は柚子にも、「木守柚」という風習があることを知り、心がほかほかっとしました。

それは、「幸魂(さちだま)」信仰に由来するとの説も。

最後の一つの実を、次の生命につなげていく、おおらかでステキな発想ですね。



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五感生活 二十四節気「大雪」


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目 次 


〔五感の二十四節気〕*************

「大雪」

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日本海側は大雪でたいへんというニュースが入ってきます。
二十四節気は「大雪」。
山々は雪の衣を纏って、冬の姿となる頃。
池や川に氷を見るようになり、大地に霜柱、東京も朝は零度の寒さ。初氷。
暦にきっちりと沿って季節が巡っていますね。
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応挙(東京国立博物館)は雪の質感を、墨だけで実に上手に表現しています。
 
葉を落とす木々。この頃になると、もうかなり落葉も進み、寒々しい枝ぶりに。
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でも、葉を落とすということは、木々の中に次の芽が準備されている印だと、聞きました。
そうでなければ、落とすことはできないのだ、と。
私の解釈では、
「無くなる」ということは無い。
無くなる前に、次の命は準備されている、ということかな。
 
不生不滅、不垢不浄、不増不減と般若心経には書いてあります。
増えないし減らないって。
 
柿の木の枝は、ほとんど葉っぱが落ちてしまって、そのごつごつとした枝は、寒風の中にさらされた
骨のよう。しかし、その枝に一つだけ、真っ赤な実が残っているのに気がつく。
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取り尽くさない思想。食べ尽くさないこと。
「来年も実りますように」と心の中でお願いして、木のてっぺんに残しておくという、祈りにも似ている。
自然の力と寄り添い、一緒になって生きていく、という静かな決意。それをデザイン化したのが、木守り(きもり)。
ステキな意匠ですね。「木守り」好きです。
 
利休は、長次郎の作った数十個の茶碗を並べて選び取らせたそうですが、
1つの茶碗だけ残ったとか。
赤茶碗・銘木守・惺入補造・松平公益会蔵
それを『木守』と名付けたとされています。
柿の収穫時に木に一つだけ残されるあの、木守りの柿にたとえた『木守』という銘の茶碗。
自分の意志とは関係なく、残されたものの中に何かを発見していく思想がカッコいいです。

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五感生活 二十四節気「小雪」


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目 次 


〔五感の二十四節気〕*************

「小雪」

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山から雪の便り。
真っ白な街の風景が、テレビ画面に映し出されています。
東京も冷え込み始めて、朝は3度台。
一気に冬へと突入ですね。
二十四節気の「小雪」という言葉が、ピタリの日々。
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沙羅双樹と椿。
「祗園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者 必滅の 理をあらはす」という平家物語に出てくる、あの葉っぱの色づきです。
東京に雪が舞うのはまだしばらく先かもしれない。
今は今だけの景色が、都会の住宅地でもたくさん目撃できて、面白い。
オクラがお蔵入り。
と、つい駄洒落を言いたくなる景色が、身近にありました。
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実にシュールな風景。
 近所の畑のシルエット。
これ、何なのか。
目を凝らすとわかった。
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ストロボをたいて撮影すれば、一目瞭然です。
オクラでした。
 
すでに収穫を終えた畑では、こんな風情があるのでした。でも、オクラがこんな風にできるなんて、知らなかった人も多いのでは?
そして、こんな風に、晩秋の景色を彩ってくれているなんて。
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こちらは、黒ダイコンです。
食べる前に、あまりにも美しいので、
ぱちり。
写真を撮りました。
スライスすると、清々しいまっ白な中味が。
ざらりとしった質感の黒い皮と、絶妙なコントラスト。
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カエデも紅葉し始めています。が、じいっと見ると、実にさまざまな色づき具合。
先の方だけ、色づいた葉が、またステキ。
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   565.JPGでも、同じカエデの葉っぱでも、こんな風なのもありました。
        そしてこんな感じもいいですね。
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気がつけば世界は複雑に美しい。
しかし、気づかなければ、何もない。
外はますます寒くなっていく、
そして心は温かく。
それが理想。

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五感生活 二十四節気「立冬」



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目 次 


〔五感の二十四節気〕*************

「立冬」

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いよいよ立冬ですね。
とはいえ、まだ東京は、秋色に包まれています。
二十四節気は、一足先に、これから来る季節を
教えてくれます。
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光が通り抜けて、キラキラと輝いている。
見上げると、イチョウの葉っぱが高いところで黄色く色づき、太陽の光を通過させているのです。
葉っぱを通して、光が抜けてくる。
イチョウの葉っぱが、こうも光を通すとはこれまで気付きませんでした。
繊細な薄さをもっているからこそ、光が透過するのでしょう。
もう少し秋が進み、朝晩の冷え込みで落葉してしまったら……この景色も消えてなくなる。
瞬間の輝きに、目が吸い寄せられる。
秋一色。
のようでいて、それだけではありません。
夏の名残を、ひとつだけ見つけたのです。
黄色の中にただひとつ、黒い点。
じいっと見つめていると……それが何なのかがわかりました。
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イチョウの葉にしがみつく、セミの抜け殻です。
季節の残り香。
夏にしがみつく、痕跡。
行ってしまう季節を、名残惜しく振り返る誰かの背中、のようにも見えました。
………自分かな?
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五感生活 二十四節気「霜降」



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目 次 


〔五感の二十四節気〕*************

「霜降」

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その公園は、狭くて地味で暗い。何もない。
引っ越してきた時の第一印象。
華やかさがない。「花」が咲かない。
あるのは草と木だけで、じめじめしている。
うっそうと茂っている木々は、暗がりを作り出すだけで役に立たない。
何の木かわからない。何のテーマもない。
そう感じました。
しばらくして気付いたこと。
タクシーの運転手の人が、しばしば車を止めています。公園の中にあるトイレで用を済ますためでした。

「トイレ休憩のための小公園」。
この公園、私には最初、そんな風にしか見えなかったのです。

テレビで「なんでも鑑定団」を見ていた時のこと。
画面には、大きくて立派な彫刻が映し出されていました。
有名な作家の作品だというのです。
「300万円はするはずです」
と持参した人が自信ありげに言いました。
テレビを眺めていた私は、その時ふと、もっと凄い彫刻がすぐ隣にあると感じました。
突然、雷に打たれたような気分になってしまいました。

テレビの脇に置いた花入れ。I371.JPG
十三夜を迎える秋の時期、隣の公園から何気なくとってきて、花瓶に差した枝と葉、2つの実。
その形は、「彫刻そのもの」ではないか。
気付いたのです。
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「何もない」というのは、私の頭の中のことだったのです。
気付くと、公園の姿はまったく違うものになっていきました。
季節の移ろいの中で、その「移ろい」を見せてくれる場所でした。
365日。すべてがある場所でした。

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五感生活 二十四節気「秋分」


●五感生活 二十四節気「秋分」


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目 次 


〔五感の二十四節気〕**********

「秋分」

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あっという間に、月を愛でる季節になりましたが、

今年の夏を振り返れば、猛暑のさなかは、京都の庭の中。

ご厚意をいただき、実に貴重な体験をすることになりました。

京都南禅寺界隈に残された別天地-「對龍山荘庭園」を五感で味わうことになったのです。

 


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まるで船の上にいるようですが、実は建物が池の中へと張り出して水を体感できるよう設計されています。琵琶湖疏水が庭の中へと引き込まれ、数寄屋建築と庭と東山の景色が一体化しているのです。



對龍山荘とは……東山の麓にあり別荘群の中の一つ。比叡山まで連なる山の稜線が、くっきりと見えています。

明治期から昭和期、政財界人がこぞって建てた別荘。その中でも、對龍山荘は傑作。

作庭は、屋号「植治」こと七代目小川治兵衛。昭和63年に国の名勝に指定されたこともあって、建物も庭も往時の姿をよく留めています。



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 水の音は石の位置によって調節できると、植彌加藤造園・加藤武史さん。毎日のように

庭師が手入れを続けている。だからこそ、景観はイキイキと輝く。借景も庭と溶けあう。




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谷崎潤一郎も逗留したというこの建物。まさしく陰影礼賛の場。茶室は、景色を美しく切り取る装置にもなっています。

 躙り口から見る庭は、緑の色が鮮烈。

 畳に跳ね返る外光は、陰影の美しさを際立たせる。

 





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「20世紀から21世紀へという転換の本質は、建築が終わって、庭が始まったことである」(『熱帯建築家』)と語るのは、木を活用した新国立競技場を設計するなど世界の建築界をリードする隈研吾氏。今後の建築やまちは「環境に寄り添い、まち全体が庭っぽくなっていく」と言います。



 「庭の時代」。ちょっとわかりにくいけれど、その意味するところは、私の個人的解釈としては、モノを買うことから場・空間を楽しむことへの変換、ではないかなと思うのです。

對龍山荘はその意味で、「庭の時代」の価値をじっくり味わうことができる貴重な空間です。詳しくは、日経電子版に執筆した下記記事をご参照ください。


「五感で味わう京都・對龍山荘 名匠・植治の庭を歩く」https://style.nikkei.com/article/DGXMZO21310610Q7A920C1000000?channel=DF130120166059

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