五感生活 二十四節気「大寒」
梅一輪一輪ほどの暖かさ 嵐雪
受験シーズン真っ最中。ひきこもごも、さまざまな人生模様が見え隠れする時期。
多くの受験生が、全国各地にある「学問の神様」天満宮へお参りに行き、合格祈願のお守りを買い求め、受験会場で握りしめつつ試験に臨んでいるのでしょう。
学問の神様・天満宮では、梅の花が開き始める頃。

真っ青な空を背景に、浮かび上がる梅の花。
天満宮で有名な梅の名は「飛梅(とびうめ)」。
「飛梅」をめぐる伝説をご存じでしょうか。
901年、時の右大臣であった菅原道真は、藤原氏の陰謀によって、突然、九州は大宰権帥という遠い遠い地へ、左遷されることになりました。
故郷の都を離れる日、幼い頃より親しんできた紅梅殿の梅に、道真は語りかけました。
「東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春なわすれそ」
すると感動した梅が、一夜のうちに九州の道真の元へと飛んで来た……そんな伝説です。

桜についても、伝説が残っているのをご存じでしょうか。
桜は歌に詠まれなかったのを嘆いて、一夜のうちに枯れてしまったといいます。
それをを聞いた道真は、
「梅は飛び桜は枯るる世の中に 松ばかりこそつれなかりけれ」
と詠むと、これに感じいった松が一夜にして太宰府天満宮に生えたのだとか。これが「追松」すなわち「老松」の伝説だということです。


----------------------------
山下柚実 (やましたゆみ) 作家/五感生活研究所代表
東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。身体と社会との関わりに関心を持ち、
美容整形、エイズ問題、五感などをテーマに取材。『ショーン横たわるエイズ・アクティビスト』で、第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞。
著書に、『五感生活術』(文春新書)、『<五感>再生へ』(岩波書店)、『都市の遺伝子』(NTT出版)、『給食の味はなぜ懐かしいのか?』(中公新書ラクレ)、『客はアートでやってくる』(東洋経済新報社)、『年中行事を五感で味わう』(岩波ジュニア新書)他多数。
「五感」をキーワードにした講演や教育、人材研修、ワークショップなども手がける。
環境省「感覚環境のまちづくり」検討委員、日本文藝家協会会員。
ウェブサイト・ユズジャーナルhttp://www.yuzumi.com/







