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五感生活 二十四節気「雨水」

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http://www.yuzumi.com

目 次             
●五感生活 二十四節気「雨水」 

●五感の情報交差点

〔五感の二十四節気〕***********

 雨水

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 雨水。陽気がぽかぽしてきて、大地が動き出す。06.jpg

それまでの雪が、雨に変わる……ハズ。

春が待ち遠しい今日この頃ですが、なかなか梅も河津桜も、満開とはいきません。

伊豆、修善寺に足を運ぶと、タクシーの運転手がぼやいていました。

「ぜんぜん咲いていないのに、祭りかって、お客さんに怒られちまったよ」。毎年この時期は

河津桜が一足先に満開となり、首都圏から客が春を感じようとおしよせるのだけれど。

厳寒の今年は、じらされているみたいです。

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修善寺の中では、旅館の女将たちの「持ち寄り雛」の展示が

IMG_1152.JPG華やかでした。これは気温と関係なく、開催できますね。

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                                      修善寺の中のお庭も公開されていました。

「梅枝上月三更」--深夜、漆黒の闇の中で、梅の枝の上に月がのぼる--

  漆黒の闇の中に、かすかに漂う、甘い香り。
 それに気付いて、ふっと顔をあげる。真っ白の梅の花が、くっきりと浮かび上がる。
 2002年、千葉市美術館で開かれた32年ぶりの鈴木春信展。そこで「夜の梅」に出会った。
 作品の前に立った時、なぜか自分の鼻先に漂う香りを感じ、不思議な心地に包まれた。「暗香浮動」そのものだ。
 忘れられないのは、背後の深い漆黒。色彩豊かな錦絵の創始者が描いた、どこまでも深い黒の世界だ。
 一筋の光も入らない、本当の闇に入った時の記憶が、蘇る。視覚を完全に奪われた時、私たちは他の感覚を目覚めさせる。日中の明るい時には気付かなかった、空中をふわふわと漂う香りに、ドキリとする。

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 夜、月と火の明かりしかなかった江戸時代。その闇を描いた春信の黒。もし、この絵の背景が深い深い黒ではなく、他の色だったら? 香りの存在は、これほど強く意識されるだろうか?
 私たちが匂いを感じるのは、鼻の嗅細胞に匂い物質がくっつくから。つまり、嗅覚は接触感覚でもある。春信の世界になまめかしさを感じるのは、視覚だけでなく接触感覚をも同時に揺さぶられるからだろう。             (『五感を揺さぶるアート十選』日本経済新聞紙上にて執筆」)

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山下柚実 (やましたゆみ) 作家/五感生活研究所代表

東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。身体と社会との関わりに関心を持ち、
美容整形エイズ問題、五感などをテーマに取材。『ショーン横たわるエイズ・アクティビスト』で、第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞。
著書に、『五感生活術』(文春新書)、『<五感>再生へ』(岩波書店)、『都市の遺伝子』(NTT出版)、『給食の味はなぜ懐かしいのか?』(中公新書ラクレ)、『客はアートでやってくる』(東洋経済新報社)、『年中行事を五感で味わう』(岩波ジュニア新書)他多数。
「五感」をキーワードにした講演や教育人材研修、ワークショップなども手がける。
環境省「感覚環境のまちづくり」検討委員、日本文藝家協会会員。
ウェブサイト・ユズジャーナル
http://www.yuzumi.com/  


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