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五感生活 五感の二十四節気「小満」

 

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●五感生活 二十四節気「小満」 

五感の情報交差点

 〔五感の二十四節気〕**********

 小満 しょうまん

*******************

5月の末は、「小満」です。

若葉がキラキラと輝き、草木が生い茂ってくる。

赤く見えるのは、もみじの「翼果」。木から螺旋を描くように落ちる様子がヘリコプターににてる。R0013360.JPG

「小満」とは、「万物 しだいに長じて天地に満ちはじめる」という意味。
木も生い茂ってくる頃とされ、田植えが始まります。
万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る(暦便覧)
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苔が美しい時期。しっとりとした湿り気のある空気、その中で輝くような美しさ。
この時期に出てくる和菓子が「広沢の池」。京都・嵯峨野にある、古い池の名がつけられています。IMGP11.jpg
「広沢の池」は、大分県の「初沢の池」・奈良県の「猿沢の池」とともに日本三沢の一つ。
周囲はコンクリートの建物ひとつなく、水田や畑。昔のままの景色が広がっています。
このあたりは、8世紀頃に秦(はた)氏によって開拓・開発された地。その秦氏がこの付近一帯の用水池として原始的な溜池を造ったのが始まりとの説もあり、また、遍照寺という寺を建立した際に造られた池とも伝えられます。
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「歴史的風土特別保存地区」の石柱が。山を背にして
のどかな田園風景、その懐にたっぷりと水をたたえた、
広沢の池。一度は見ておきたい、日本の風景。
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名月や池をめぐりて夜もすがら                    芭蕉R0013354.JPG
そんな俳句が生まれた広沢の池。観月の名所だったといわれています。
いつか、池に映るお月様を拝見したい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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近刊『五感で楽しむまちづくり』 学陽書房

環境省・感覚環境のまちづくり検討委員会での議論~「五感で楽しむまち」検討会への流れも含めて、地域にうもれた豊かな資源を五感を使って掘りおこす、新しい「まちづくり」の手法を提案。

 山下柚実〔編著〕 荒井眞一・内藤克彦〔著〕    定価2200円+税   http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4313814205.html

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山下柚実 (やましたゆみ) 作家/五感生活研究所代表

東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。身体と社会との関わりに関心を持ち、
美容整形エイズ問題、五感などをテーマに取材。『ショーン横たわるエイズ・アクティビスト』で、第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞。
著書に、『五感生活術』(文春新書)、『<五感>再生へ』(岩波書店)、『都市の遺伝子』(NTT出版)、『給食の味はなぜ懐かしいのか?』(中公新書ラクレ)、『客はアートでやってくる』(東洋経済新報社)、『年中行事を五感で味わう』(岩波ジュニア新書)他多数。
「五感」をキーワードにした講演や教育人材研修、ワークショップなども手がける。
環境省「感覚環境のまちづくり」検討委員、日本文藝家協会会員。
ウェブサイト・ユズジャーナル
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五感の歳時記 二十四節気「立夏」

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●五感生活 二十四節気「立夏」 

五感の情報交差点

 〔五感の二十四節気〕**********

 立夏 りっか

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奈良は平群(へぐり)の里、消渇神社(しょうかち)と石床神社という、古い神社へ。

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83.jpg消渇神社は、室町時代、旅の僧信海(しんかい)が腰の病を治してもらってから、下半身の病気に御利益があるとして村人に信仰されるようになったそうです。

江戸時代には社名から女性の病気や性病に効果があるとして京都祇園からの参詣客でたいへんなにぎわいになったほど。

境内で不思議なお供えものを発見!

白い団子と、黒い団子がずらずらり。なんなんでしょうか?

願をかけるには、泥でお団子を作ってお供えするのだそうです。 

私も土をこねて団子を十二個作り、お供えさせていただきました。願いがかなった時には、お米の団子を同じ数、供えるというのがしきたりだそう。なんという、呪術的・五感的な!!

いつか、きっともう一度、米のお団子をもっておたずねできるように。

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この神社から歩くこと数分。

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またまた、摩訶不思議なご神体に、お会いすることになりました。7.jpg23.jpg

こちらが「石床神社」です。

 

なぜ「石」の床? 

花崗岩の巨石が鳥土塚古墳や西宮古墳へと運び出された地、つまり古墳時代~飛鳥時代の石材産地だったそうです。

 

 

 

巨大な石が鎮座しています。「延喜式」にも登場する古い歴史を持つこの神社。祭神は剣刃石床別命(けんじんいわとこわけのみこと)貞観元年(859)には従五位上を授けられているとか。

崖面に露頭した高さ約6m、幅10数m、実に堂々たる巨大なご神体に圧倒されました。古代信仰って、まさしくこんな圧倒的存在にひれふす感覚だったのね。

9.jpg周囲はのんびりとした、田畑が広がっています。

 

 

 

それだけではありません。平群町を通って竜田までを結ぶ街道は、十三街道(じゅうさんかいどう)といい、「業平道(なりひらみち)」とも呼ばれています。なんと、「伊勢物語」の天下一の色男、在原業平が女性の元へ800夜も通った、いわゆる「業平の高安通い」の舞台でもあるのです!

神立の福屋という茶店の娘にぞっこんになった業平。この道を通って彼女へ会いに。ある日、たまたま飯を器に盛って食べる娘の姿を見て、百年の恋も冷めてしまう。ずいぶん勝手だけれど、一気に関心がなくなってしまったらしい。娘は悲しんで池に身を投げたとか。このとき業平が置いていった笛が、平群の玉祖神社に伝わっているそうです。

恐るべし、平群の里。歴史を考えるときにはぜひ一度は訪ねたい、個性をもった、愛らしい土地です。

「早くから文化が開け、武内宿禰を祖とする古墳・奈良時代の有力な豪族・平群氏が本拠地としたところであり、聖徳太子の創建と伝えられ、国宝信貴山縁起絵巻のある信貴山朝護孫子寺、役の行者の修験地で知られた鳴川千光寺など40寺院、22神社、古墳64基と名所・旧跡が数多くあります」。そう平群町のサイトにありました。

平群町 http://www.town.heguri.nara.jp/machi/syoukai/syoukai01.html

 

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*新宿区が「五感で楽しむ新宿観光マップ」を制作・配布中。

 http://www.regasu-shinjuku.or.jp/regasu/wp-content/uploads/2011/04/0425_01-24-3.pdf#search=

 

*『五感で楽しむまちづくり』 学陽書房

環境省・感覚環境のまちづくり検討委員会での議論~「五感で楽しむまち」検討会への流れも含めて、地域にうもれた豊かな資源を五感を使って掘りおこす、新しい「まちづくり」の手法を提案。

 山下柚実〔編著〕 荒井眞一・内藤克彦〔著〕    定価2200円+税   http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4313814205.html

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山下柚実 (やましたゆみ) 作家/五感生活研究所代表

東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。身体と社会との関わりに関心を持ち、
美容整形エイズ問題、五感などをテーマに取材。『ショーン横たわるエイズ・アクティビスト』で、第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞。
著書に、『五感生活術』(文春新書)、『<五感>再生へ』(岩波書店)、『都市の遺伝子』(NTT出版)、『給食の味はなぜ懐かしいのか?』(中公新書ラクレ)、『客はアートでやってくる』(東洋経済新報社)、『年中行事を五感で味わう』(岩波ジュニア新書)他多数。
「五感」をキーワードにした講演や教育人材研修、ワークショップなども手がける。
環境省「感覚環境のまちづくり」検討委員、日本文藝家協会会員。
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五感生活 二十四節気「穀雨」

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●五感生活 二十四節気「穀雨」 

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 穀雨 こくう

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一斉に若葉が吹き出して、まるで生命力が爆発したような輝く世界。

「穀雨」は、田畑を潤し、穀物の成長に大切な春雨が降るころ。

まさしく、雨が土へと深くしみこんで、恵みをもたらしています。

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散歩の時など、木の枝の先にふと見かける花や葉っぱ、幹、種…。

その色や形を目で鑑賞するだけでなく、手にとって、指先や手のひらで、質感・感触をたしかめてみたい。さらに一歩、相手とお近づきになれる。「見る」だけではわからなかったさまざまなことが、皮膚や嗅覚から伝わってきますね。

 

*先日、滋賀県彦根へ行きました。取材レポートを書きましたので下記をご参照のほど。http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20110426/547150/

彦根のまちをブラブラしている時、ちょっとすてきなお店を見つけました。カバン屋さんです。名前は「100 Children」。16.jpg

ひとつひとつ、手作りの、帆布や皮を使ったカバンたち。

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注文にも応じてくださるようです。ひとつひとつ、店主が作っていくカバン。なんだか心がほっこりする空間でした。これからのモノ作りって、こうあってほしいなあと、素朴に感じるお店でした。

「100 Children」さんのブログhttp://ameblo.jp/100children/entry-10856272677.html#main

  

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*新年度より、東京都江戸川区の景観審議会委員のメンバーになりました。いろいろなまちづくりの見聞を、広げていきたいと思います。

*『五感で楽しむまちづくり』 学陽書房

環境省・感覚環境のまちづくり検討委員会での議論~「五感で楽しむまち」検討会への流れも含めて、地域にうもれた豊かな資源を五感を使って掘りおこす、新しい「まちづくり」の手法を提案。

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東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。身体と社会との関わりに関心を持ち、
美容整形エイズ問題、五感などをテーマに取材。『ショーン横たわるエイズ・アクティビスト』で、第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞。
著書に、『五感生活術』(文春新書)、『<五感>再生へ』(岩波書店)、『都市の遺伝子』(NTT出版)、『給食の味はなぜ懐かしいのか?』(中公新書ラクレ)、『客はアートでやってくる』(東洋経済新報社)、『年中行事を五感で味わう』(岩波ジュニア新書)他多数。
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五感生活 二十四節気「清明」

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 清明 せいめい

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二十四節気は、「清明」を迎えました。春もたけなわ、地上に精気があふれ出す頃。

しかし、今年の春は、大地震と原発事故で無邪気な笑いがいつもの年より減ってしまっているかもしれません。心を痛めている多くの人々。そして奮起しようとしている人々。

そして季節はめぐる。その力は、私たちに勇気を与えてくれる。

こんな状況下だからこそ、伝えたい取り組みがあります。日本の中で少しずつ芽生えてきている、エネルギーの自給自足、食料の自給自足を目指す、エコヴィレッジの活動を。

過日、「NPOミレニアムシティ」の取り組みを取材させていただきました。吉祥寺1.jpg

強い風に枝を振るわせる巨木。その下には畑の畝。

JR中央線・吉祥寺駅から歩いて20分のところに、樹齢250年の木がズラリと並ぶ豊かな森と農地があるとは。ここが「吉祥寺ミレニアムシティ」の現場だ。

この森は、周囲の人を癒し、酸素の供給源となり、ヒートアイランドの緩和にも寄与する貴重な環境資産。「しかしいったん相続となれば、相続税を払うために木は伐られ、更地となり売却されてしまう可能性が高い。こんな豊かな環境資産をなんとか守る方法はないだろうかと、トラスト活動を始めました」とNPOミレニアムシティの井口浩理事長は言う。

 今年4年目を迎える「吉祥寺トラスト」。有料の農園体験で15種類ほどの有機野菜を栽培している。1年間の体験農園に約20世帯が参加。参加費で資金を集める。だが、この活動の究極の目的は、「環境保全」や「体験農園」にとどまらない。「今後5年の間に『農園のある都市型エコビレッジ』をここに創り出すことを目指しています」 住宅街の中に、環境都市が出現する--そんな大胆な夢を実現すべく邁進中なのだ。

「『住む人の発想で、市民が都市を丸ごと作る』が、私たちNPOの活動テーマ。今の時代、緑でストレスを癒すことや有機野菜作りも大切ですが、そうした部分的な対処で解決できないほど、問題は複雑にからみあっている。だからこそ、一から都市を創ることに取り組みたいのです」と井口理事長は言う。 

千葉に二つのエコビレッジ

くりもと.jpg同NPOは10年前からコツコツと、環境都市「ミレニアムシティ」作りに取り組んできた。吉祥寺の取り組みも、その一つ。

実はすでに「くりもとミレニアムシティ」「あさひミレニアムシティ」の二つのエコビレッジが、千葉県に誕生している。

ガラスの温室の中に建物を入れ込む省エネルギーハウスは、ユニークな外観(右の写真)。

太陽光や風力などのエネルギーを活用し食料を半自給自足する自立型都市だ。コミュニティ通貨や講といった互助システムも取り入れている。ハウスにはおためしの別荘タイプと定住型の二種類がある。「暮らしを共にするには、まず、体験や労働をシェアし、互いを理解することが大事です。そのためのワークショップを継続してきました」

年に12回以上開催するワークショップに、10年間でのべ5000人が参加した計算だ。現在、ミレニアムシティをつくる会の会員は約300世帯。定住する人、別荘として使う人、体験農園だけの人といろいろだという。

「あまり厳密に目標を設定して互いを縛りあうのではなく、ゆるやかにつながり、楽しみながらライフスタイルを共有する、『ゆるコミ』を土台にしたい」と井口理事長。千葉の二つのエコビレッジと、吉祥寺とをゆるやかにネットワークさせ、住み替えや移動も可能にする、という。

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千葉県香取市にある「くりもとミレニアムシティ」。ガラスの温室の中に、高床式の別荘ハウスが35戸あるシェアードハウスだ。隣接する有機農場では野菜作りを行う。

 

計画から関わることで実現  

「ゆるさ」も魅力のミレニアムシティだか、根底には明快な哲学が横たわる。貨幣経済の中にいながらも、お金に使われない暮らしをする、ということです。一定の人数が集まり、互いに助け合えば、お金に縛られないでいきいきと暮らすことは可能。それを、具体的なモデルで見せていきたい」

吉祥寺.jpg 誰かに提供されるだけの住居では、暮らしの満足にはなかなかたどり着けない。一から計画や事業にかかわり、運営に参加することで初めて、「望むコミュニティ」が手に入る-シンプルだが本質的なことを、取材の中で発見した。「かつて介護の仕事をしていたのですが、老人ホームの中で孤独を抱える高齢者の姿から、自分が老いた時のことを深く考えさせられました。老いまで視野に入れ、人と人との関係を豊かに紡ぎ直すミレニアムシティを作っていきたい」と常任理事・井口道代さんも熱い口調で言う。

 自治・自立、地球と人の蘇生、支え合い。いくつものテーマを見つめながら「新たな都市をまるごと創る」ダイナミックな挑戦は進む。20年後、30年後に、いったいどんなコミュニティが出現しているだろうか。 

 人は苦しむために生きているのではない。できるかぎりいきいきと暮らしたい。その暮らし方が、同時に、他の人や環境や地球への負荷を減らす形になれば素晴らしい。だからこそ今、暮らしにいくつもの「環(わ)」を取り戻すことが、必要なのだ。 (『社会新報』2011.3.9掲載)
          
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祥寺駅から徒歩20分の場所にある「吉祥寺ミレニアムシティ」。樹齢250年の巨木に囲まれた農地で、有機農業体験ができる。「練馬大根」も有機栽培している。           

下は昨年10月にオープンした千葉県旭市「あさひミレニアムシティ第一期」は、定住ハウス2戸と別荘7戸。手前は「協生農法」による畑の畝

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 NPOミレニアムシティ http://npo-mc.com/

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新刊『五感で楽しむまちづくり――豊かな暮らし・にぎわい・つながりの創造』(学陽書房)

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五感生活 二十四節気「雨水」

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●五感生活 二十四節気「雨水」 

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 〔五感の二十四節気〕**********

 雨水 うすい

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陽気がぽかぽかして、氷が溶け、凍っていた土がゆるんできて、いきいきと躍動を始める。「雨水」はそんな時期です。

山笑う。
芽ぶきはじめた早春の山々のことを、日本人は昔から、そんな風に表現してきました。
「春山は笑っているよう、夏山は滴るよう、秋山は粧うよう、冬山は眠るよう」。
長い長い、冷たい季節が終わりを迎えて、山がゆっくりと目覚めはじめる。そんな山の様子を、「笑う」という言葉にあてはめたみごとさ。

山が笑っている。
それだけではありません。実は、それを見ている私たち自身も、微笑んでいる。春の訪れがうれしくて、ふと、笑みがこぼれる。春。それは、生きる歓びに満ちた季節。いよいよです。
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そして、春を呼ぶ行事、奈良・東大寺二月堂の「お水取り」がやってくる。正式な名前は修二会(しゅにえ)。3月1日から二週間に亘って、長い法会が営まれます。

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燃え上がる巨大な松明を、僧侶が二月堂の回廊まで運び上げる。そして、ぐるぐると回転させる。高い場所から火の粉が降り注ぐ。

壮麗で迫力ある行事です。2.jpg
一見、火の行事に思えますが、なぜ「お水取り」という名前がついたのでしょうか。実はクライマックスが若狭井という井戸から「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式。「お水取り」という通称も、そこからつきました。


神秘時な「お香水」、芳しい香のある水を飲むと患いが除かれ心身の悩みが無くなる--昔からそう考えられてきたという。「お香水」信仰は、奈良だけでなく各地に残っています。いや、国内だけでなく、「香りのするものに病や厄を避ける作用がある」「神聖がある」とする感性は、世界のさまざまな地域や宗教に、共通して見られるから面白いですね。
 

 

 

さて、「お水取り」の味覚といえば、「のりこぼし」。法会に参加する練行衆たちは、和紙を使って造花の椿を作ります。この時期、二月堂に咲く良弁椿を模した造花。赤い花びらに白い糊をこぼしたような斑入りの椿を、須弥壇の四隅に散らすのです。

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 和菓子「のりこぼし」は、その造花の椿に見立てた、季節もの。堂々として美しく、一度を味わったら忘れられない存在感が。春を呼ぶ「のりこぼし」は、奈良から遠く東京に暮らす私の記憶の中に、いつまでも留まり続けています。

7.jpg日本橋高島屋「つるし雛」

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* 環境省「五感で楽しむまちフォーラム」が開催されます

五感に心地よい環境を保全・創出するまちづくりを推進するため、「五感で楽し
むまちフォーラム」を開催します。
同フォーラムでは、基調講演や鼎談を通じて、五感を活かしたまちづくりの大切
さやその手法について理解を深めるとともに、昨年12月まで公募を行っておりま
した「五感で楽しむまち大賞/写真大賞」の入賞取組・作品の表彰を行います。
多くの皆様の御参加をお待ちしております。

日時:2011年3月8日(火) 13:30~16:30(開場13時)
会場:新宿明治安田生命ホール(新宿駅西口2分)
主催:環境省
共催:東京商工会議所、日本アロマ環境協会、日本エコツーリズム協会

くわしくは、ウェブサイトへ
http://www.env.go.jp/air/sensory/taisho/index.html

プログラム:
○基調講演「元気なまちづくりをめざそう・五感の再生」
 進士五十八(東京農業大学名誉教授/前学長、早稲田大学大学院客員教授)
○鼎談「まちづくりでの“五感”の生かし方」
 進士五十八
 桐谷エリザベス(フリージャーナリスト、NHKアナンサー)
 山下柚実(作家、五感生活研究所代表)
○五感で楽しむまち大賞/写真大賞表彰式
 表彰状授与、受賞者による取組紹介

展示:
○「五感で楽しむまち写真大賞」入賞作品展示
○共催団体展示

問合せ先:
社団法人国際環境研究協会「五感で楽しむまちフォーラム」事務局
〒110-0005 東京都台東区上野1-4-4 TEL.03-5812-2105
FAX:03-5812-2106 E-mail:gokan-machi@airies.or.jp

学陽書房より、2011年1月20日刊行の新刊!

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五感生活「二十四節気」

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●五感生活 二十四節気「大寒」 

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 〔五感の二十四節気〕************** ****

「大寒」 そろそろ節分

********************

子どもの頃、節分の「豆まき」をした思い出を持つ人は、多いと思います。1.jpg

「豆まき」は別名「鬼やらい」。疫病や災害を「鬼」に見立て、弓や矢で邪気を払う行事。

それが「豆」に変化して、今の形に。毘沙門天が「豆で鬼の目を打て」と教えてくれたという説や、鬼の目を打つので「魔目(まめ)」、「魔滅」に通じるという説も。

歳の数だけ豆を数えて、家の中に蒔いた。まだ元気で一緒に暮らしていた、祖母や祖父の顔が一緒に思い出されて、なんだか懐かしい。

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この行事の本来の姿はとても呪術的・神秘的だということを、京都での取材を通して実感させられました。
岡崎の平安神宮。
鳥居をくぐると、白いじゃりが敷き詰められた広大な境内。

節分の日、ここに陰陽師が登場して祭文を読みあげ、弓を放つ。さらに、鬼を祓う役割、四つ目の方相氏(ほうそうし)がゆっくりと境内に現れたのです。
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その姿を見た時、心の奥底の記憶を揺さぶられ、怖いような懐かしいような、不思議な気持ちになりました。
方相氏は、矛と盾を手に持って、ばあんと打ち鳴らし、「鬼やらう」とよく響く声で叫ぶ。その声にも、鬼や邪気を祓い飛ばし清浄にする力があるという。境内を走り回っていた鬼たちは、声に追い立てられ、人々の投げる豆によって祓われていくのですね。

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人類の長い歴史において、突然の天災や病気など理不尽な出来事が人々を苦しめてきた。そうした出来事を祓い除きたい、という切なる願いが、この豆つぶ一つ一つに込められている--芳ばしい福豆をかじりながら、私はあらためて感じ入りました。

 

 

 

 

 

 

 

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五感生活

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●五感生活 二十四節気「小寒」 

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 〔五感の二十四節気〕************** ****

そろそろ「小寒」

************************

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いいたします。P1010246.JPG

二十四節気は、そろそろ「小寒」。でも、今年の東京はかなり冷えこんでいて、

「小さい」寒さではないみたい。でも、冬はやっぱりきりりと寒い方がいいですね。

初詣でおたずねした、鶴見の総持寺。
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初めて足を踏み入れた境内です。というのも、今年の「恵方」は丙・辛。つまり、南南東です。私の家からその方角へと地図をたどっていき、ぶつかったのが、総持寺でした。R0012350.JPG

ちなみに「恵方(えほう)」とは別名「吉方(きっぽう)」「明の方(あきのかた)」ともいわれ、そのその年の縁起のよい方角。

初詣というと、いつも出かける先が決まってしまっていたので、昨年から、「恵方の方角にあるお寺または神社にお参りする」ことにしたのです。

新年早々、まったく知らない場所に足を踏み入れる、それは新鮮な感動……そんな期待に、まさしくぴたり。すばらしい境内でした。R0012367.JPG

曹洞宗は大本山を二つもっています。福井県にある永平寺と、横浜市にある總持寺です。永平寺とも並び称される大本山が、関東地方の、こんな近くにあったなんて。

気持ちのスカッとするような大伽藍でした。約十万坪の広大な境内、いくつものお堂。堂々としたお堂の前に立ち、元旦の空気を吸いました。

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総持寺でいただいたお札には、こうありました。

「過去を悔やまず、未来をあてにせず、一日一日を感謝し、そして楽しむこと」

今年のテーマです。肩の力を抜いて、力を少しゆるめて、

悔やまずあてにせず、感謝し、楽しむ。

私たちが日常の中でよく使う、「リラックス」という言葉。
「re」と「lax」とで成り立っていますが、「re」は「もう一度」。そして「lax」の意味は……英和辞典で調べると、「ゆるんだ、弛緩した」とあります。
「リラックス」とは、そもそも「もう一度ゆるめる」という意味。P1010118.JPG

仕事の合間に一服するお茶。

立ちのぼる湯気を目で追い、芳ばしい香りを嗅ぎ、味わう。ほっとして、思わず体の力が抜けてくる。 さっきまでイライラしていた自分が、なんだかバカバカしくなってくる。

肩に力が入り、興奮していた自分とはちょっと別の自分がいる。「ゆるんだ自分」が。

自分自身を「ゆるめる」装置として、お茶を一服。
体がゆるむと、私をとりまく世界も変化して感じられます。P1010256.JPG


聞こえなかった音が耳に届く。空の高いところで擦れる葉の音。仲間を呼ぶ鳥の声。
気付かなかった色彩に見とれる。刻々と変化していく夕焼け、あかね色から縹色、そして群青色へと染め上がる雲。

 


世界が発信しているさまざまなこと、かすかだけれどたしかに発している情報を、五感で受信する力がぐんとアップするから不思議です。P1010130.JPG


ゆるめることは、「他が入り込む余地を作る」ことなのですね。
けれども、それは時に、ブレーキになります。仕事の場では、効率や速度が大切なわけで、急いで移動している時に、ぼんやりと空の色の変化を鑑賞しているわけにはいかない。それが現代人の生活でしょう。


私たちは、オン「力を入れる」と、オフ「ゆるめる」とを上手に繰り返しながら、生きぬいていかなければならないのです。
おそらく、現代人にとって一番の問題は、「入れる」ばかりで「ゆるめる」ことを知らないことかもしません。
        

 「降りる」、「はみ出る」、「立ち止まる」。
私たちの社会では、こうした言葉は、どちらかといえば否定的に使われてきたように思います。 
 「あきらめる」という言葉も、似ています。
一心に追求してきた課題から降りる。もうお手上げだと逃げてしまう。ことが停滞する。そんなマイナスの印象を纏っています。
けれども、実はそれだけではない。
「あきらめる」とは、「明らかに見る」ことでもあるのだと、茶の湯の師匠は言いました。
師曰く、「一心に物事に集中したからといって、それだけで本質に近づけるとは限らない。むしろ、一つのテーマにむかって集中し、近視眼的に接近すればするほど、ことの本質は見えづらくなり、遠ざかってしまうこともある」。
その言葉に、目から鱗が落ちる思いがしました。
大切なことは、あきらめること。それによって、入れすぎた力が抜けること。
一歩、距離をとること。
その時初めて、明らかに見えてくることがある。五感でしなやかに感じることができる。
「ゆるんだ」身体に潜む遠大な可能性に、私は気付かされました。  
 

 

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 ●学陽書房より、2011年1月20日刊行の新刊!

『五感で楽しむまちづくり――豊かな暮らし・にぎわい・つながりの創造』

環境省・感覚環境のまちづくり検討委員会での議論~「五感で楽しむまち」検討会への流れも含めて、地域にうもれた豊かな資源を五感を使って掘りおこす、新しい「まちづくり」の発想を提案します。

 山下柚実〔編著〕 荒井眞一・内藤克彦〔著〕    定価2200円+税

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山下柚実 (やましたゆみ) 作家/五感生活研究所代表

東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。身体と社会との関わりに関心を持ち、
美容整形エイズ問題、五感などをテーマに取材。『ショーン横たわるエイズ・アクティビスト』で、第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞。
著書に、『五感生活術』(文春新書)、『<五感>再生へ』(岩波書店)、『都市の遺伝子』(NTT出版)、『給食の味はなぜ懐かしいのか?』(中公新書ラクレ)、『客はアートでやってくる』(東洋経済新報社)、『年中行事を五感で味わう』(岩波ジュニア新書)他多数。
「五感」をキーワードにした講演や教育人材研修、ワークショップなども手がける。
環境省「感覚環境のまちづくり」検討委員、日本文藝家協会会員。
ウェブサイト・ユズジャーナル
http://www.yuzumi.com/  


 


五感生活

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 目 次             
●五感生活 「東京の木で家を造る会」

五感の情報交差点

 〔五感生活〕************** ****

日の出町「東京の木で家を造る会」をたずねました

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東京都西多摩郡で活動している「東京の木で家を造る会」に、家づくりと「地産地消」というテーマについて、いろいろと話をお聞きしました。
 
東京・新宿駅からJRを乗り継いで1時間半。武蔵
増戸駅を降りると、周囲を取り囲む山の稜線が東京都西多摩郡日の出町。東京とはいえ、なんと空気のきれいな、のどかな環境でしょうか。0.jpg

林業がさかんなこの地域では、土地でとれる木を使い、伝統的な工法で家造りを続けてきた歴史があります。しかし昨今、安い外材とハウスメーカー等の大量生産工法によって、地場産業としての林業は崩壊の危機に立っているのです。


逆風に抵抗するかのように、モデルハウス「環(たまき)の家」は凛とした姿でした。

一歩中へ入ると、なんという気持ちのよい香り。86・5平方㍍(26坪)の二階建ての家には、「杉とひのきの香りが漂っているんです」と、協同組合「東京の木で家を造る会」の阿部裕美さんが内部を案内してくださいました。
「多摩産の無垢材を使い、大工さんの知恵と技術を集めて建てました。壁は漆喰と聚楽壁、障子に畳と可能な限り呼吸する素材を活用し、新建材や接着剤は使っていません。床の感触をたしかめるために、裸足になる方もいますよ」

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 何といっても、「東京の木で家を建てることができる」という事実を知る衝撃は、大きい。言葉で説明するよりも、実際の空間を体感してもらうのが一番と、同会がこの「環の家」を完成させたのは、今年3月のこと。

 天井は200年のヒノキの梁が美しい表情を作っています。釘を使わない伝統の方法で構造が支えられていました。

 

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目を凝らすと、貫、継ぎ手、込み栓など伝統的な工法の技術が随所に。大工さんが持つ職人文化がこの家の中に結晶しているようです。
「大工さんがよい仕事をすると、次に入る左官屋さんも、次の建具やさんも、精一杯の力を出してくれるのです。職人の力を引き出す連鎖ができること、それがすばらしい」と事務局長・稲木清貴さんが完成までのプロセスについて語ってくださいました。

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「会が発足して14年。これまで、年に10棟ほど木の家を建て続けてきました。施主の方々は時間をかけて部材を選び、工法について学ぶといった熱心な方が多い。その分、できた時の満足度も高いと思います」と阿部さん。
 建主が部材を選ぶ時は、可能な限り山の中に入り、実際に木が生えている状態から見てもらうそうです。
「伐採時には、木の命をいただくという実感を持つ。それが家に対する愛着になります。建てた後には植林をする。ただ、単に家を『建てる』だけではなくて、林業家、製材所、工務店、建築家、施主と、さまざまな人がつながりあい、家づくりを通して森林を再生し、環境を保全していくことが目的です。だから、『環の家』なんです」と稲木さん。
今、会の一般会員は40名ほど。その他に林業家や製材所、工務店、設計事務所などの専門家が33社参加。

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 「環の家」のリビングには、ペレットストーブが。
「東京の木の端材やおが粉などを固めた木質ペレットを燃やして家全体を温めます。炎を眺める気持ちよさも楽しめるし、CO2も削減できる。メンテナンスも楽ですよ」
 実は、ペレットストーブの普及を進める東京ペレットも同会の一員。暖房も含めて、徹底的に東京の木を活かすことにこだわった家なのです。 

 

 

 

 

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東京産の木質ペレットを燃料にするペレッストーブ。家全体がほんわかと温まり、環境にもやさしい。

しかし、家づくりをとりまく社会的な状況は、厳しいかぎり。少子高齢化社会の中、新築着工数は減る一方。東京の木が活かされていく道筋を、いったいどこに見出せばよいのか。
「マンション等のリフォームについても、天然木を活用する方法がある、ということを積極的に提案していきたい」と稲木さん。
 また、同会では地産地消型住宅の価値を一目がわかるようにと、「評価システム」も編み出しました。

ライフサイクルアセスメント」は、製品の原材料の採取から製造、使用及び処分に至るまでの環境影響を定量的に評価する手法。東京の木を使った地産地消型住宅が、いかに環境負荷が少ないかが、一目でわかるそうです。
「そもそも家の原点とは、生命を守る場所のはず。そこから考えれば、地元の部材を使って、顔が見える関係の中で信頼できる職人さんを選び、伝統の技術を活かして作ることが、安心・安全を最大限に実現する方法なんですよね。私たちのモットーは、身の丈にあった真っ当な家造りです」
寸断された人と人、人と山とをつなげ、考え方を共有する仲間や建主と新しい循環を創り出す試みが、東京都内に力強く息づいていたのでした。

いつか、宝くじが当たって普請道楽ができるチャンスが手に入ったら、ぜひぜひ東京の木を使いたいなあ、と真剣に思いました。

 4.jpg大工の棟梁が書いた「手板」は、いわば設計図。「ここに職人の知恵がすべて詰まっている」と稲木さん。

(『環のくらし』社会新報2010.12.1掲載

 

 

 

 

 

 

 「東京の木で家を造る会」http://www.forest.gr.jp/home/welcome.html

〒190-0181 東京都西多摩郡日の出町大久野70-1
  

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 ●学陽書房より、2011年1月20日刊行の新刊!

『五感で楽しむまちづくり――豊かな暮らし・にぎわい・つながりの創造』

環境省・感覚環境のまちづくり検討委員会での議論~「五感で楽しむまち」検討会への流れも含めて、地域にうもれた豊かな資源を五感を使って掘りおこす、新しい「まちづくり」の発想を提案します。

 山下柚実〔編著〕 荒井眞一・内藤克彦〔著〕    定価2200円+税

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山下柚実 (やましたゆみ) 作家/五感生活研究所代表

東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。身体と社会との関わりに関心を持ち、
美容整形エイズ問題、五感などをテーマに取材。『ショーン横たわるエイズ・アクティビスト』で、第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞。
著書に、『五感生活術』(文春新書)、『<五感>再生へ』(岩波書店)、『都市の遺伝子』(NTT出版)、『給食の味はなぜ懐かしいのか?』(中公新書ラクレ)、『客はアートでやってくる』(東洋経済新報社)、『年中行事を五感で味わう』(岩波ジュニア新書)他多数。
「五感」をキーワードにした講演や教育人材研修、ワークショップなども手がける。
環境省「感覚環境のまちづくり」検討委員、日本文藝家協会会員。
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五感生活 二十四節気「立冬」

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●五感生活 二十四節気「立冬」

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二十四節気 「立冬」

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いよいよ季節は冬。火が恋しい季節になりました。DSC_0045.jpg

ちょっとずうずうしいけれど、自慢から始めてもよいでしょうか。以前、知人からこんなことを言われたことがあるんです。
「あなたが書いている五感の話って、どこか枕草子に重なる感覚よね」って。
「えっ」。最初はびっくり。
私が書いている本の世界が、昔、教科書で出合ったあの『枕草子』につながる? 
そこでしばらくぶりに、本棚でほこりをかぶっている『枕草子』をパラパラとめくってみると……なつかしのあのフレーズが。
「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山際すこし明かりて」
清少納言さんは、書き連ねています。
気持ちいいこと、嫌なこと、きれいだと思うこと……

次々にテーマを挙げては、時にズバズバっと、手キビシく。IMG_0935.JPG

たとえば「胸がどきどきして心ときめくもの」という項には……
髪を洗いお化粧をして、かおり高く、香が染み込んだ着物を着たとき。約束した男が来るのを今か今かと待っている夜、雨の音、風の音が木々を吹きゆるがすのも、どきどきどきする。
なんだ。挙げられた内容をみると、今の私たちの感覚と、ほとんど変わらないですね。

冬ならば、「早朝がいいわ」と、彼女は言っています。
「雪が降った朝なんかはもちろんのこと、霜が白い朝も素敵だし、たとえ霜が降りなくても、気温が低くて寒い日に火をおこして炭を運ぶ女房たち姿も、いい感じ」
「うんうん、わかる」と、うなずきたくなるような文章。ぴん張りつめた冬の早朝の空気って、たしかにいいですよね。

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香や色、かすかな音から、たくさんのことを感じとって、うれしがったり、楽しんだり、心を弾ませたり、怒ったり。清少納言という人が、平凡な日常をまさしく五感を使っていきいきと細やかに生きていたその姿、はっきりと見えてきます。
1000年の時空をこえて、ぴたっと響きあう人に出会えたような、幸せな気分になりませんか。IMG_0877.JPG

暮らしの中で、「匂い」とか「色」とか「音」に細やかに気付き楽しむ「五感生活」。『枕草子』が書かれた平安時代から、1000年たっても風化しない。

それどころか、現代社会の中で再び、「五感生活」の楽しさと大切さに、多くの人々が注目し始めているとしたら……。
なんだか無償にうれしくなってきました。

昔のことを思い出しました。小学生の頃よく、家の前でたき火をしたっけ。落ち葉を掃いて、小さな山にして、マッチで火を点けると、たちまち乾いた葉に火がついて、全身で煙をあび、髪の毛がすすけたような匂いになったこと。IMG_0911.JPG

火を全身で味わっていた、遠い昔の日々。
パチッと、跳ねる音。
ああー、冬だ。空気が冷たく寒いからこそ、火のあたたかさがうれしい。 
そういえば何十年もの間、たき火なんて忘れていた。手のひらで火を感じるこの感触。ガスや電気に頼って、ゆらぐ炎を見つめることはほとんどなくなった。

東京も冷たい雨の中。今日は「炉開き」です。唯一、茶の湯の稽古で触れる「炭の火」だけが、今、私の大切な火の体験となっています。   

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 ●学陽書房より、2011年1月刊行予定の単行本

『五感に心地よいまちづくり(仮)』(共著)

今、詰めの作業に追われています。環境省・感覚環境のまちづくり検討委員会での議論~「五感で楽しむまち」検討会への流れも含め、地域にうもれた資源を五感で掘りおこす、まったく新しい「まちづくり」の発想を提案します。

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山下柚実 (やましたゆみ) 作家/五感生活研究所代表

東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。身体と社会との関わりに関心を持ち、
美容整形エイズ問題、五感などをテーマに取材。『ショーン横たわるエイズ・アクティビスト』で、第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞。
著書に、『五感生活術』(文春新書)、『<五感>再生へ』(岩波書店)、『都市の遺伝子』(NTT
出版)、『給食の味はなぜ懐かしいのか?』(中公新書ラクレ)、『客はアートでやってくる』(東洋経済新報社)、『年中行事を五感で味わう』(岩波ジュニア新書)他多数。
「五感」をキーワードにした講演や
教育人材研修、ワークショップなども手がける。
環境省「感覚環境のまちづくり」検討委員、日本文藝家協会会員。
ウェブサイト・ユズジャーナル
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五感生活 二十四節気「寒露」

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●五感生活 二十四節気「寒露」

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二十四節気 「寒露」

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  RIMG0037.JPGお月見のお供えもの。

旧暦で9月13日にあたる十三夜。秋の2回めのお月見です。今年は10月20日が「十三夜」。またの名を「栗名月」「豆名月」とも。なるほど、実りの時期に、美しい月を愛でる、ということなのでしょう。お月見の時に、お団子やお芋を備えるのは、豊かな実りに感謝する気持ちの表現。

美味しい野菜や果物が、ぞくぞくと出てくる今日この頃。最近は、インターネットの通販が充実し、全国各地でとれた旬の味が自由に購入でき、まさしく、「居ながらにして」全国各地の収穫物を味わうことが可能になりました。

 でも、ちょっと考えてみたいのです。ふだん何気なく使っている、「ご馳走」という言葉について。

私にとって、印象的な食べ物「栃餅・とちもち」。奈良の山村に暮らす友人が、自分の土地でとれた栃の実を使って、おいしいお餅を作ってくれたのです。焼くと、芳ばしくて、深いうまみと甘みと苦みとがぎゅっと凝縮されていて。まさしく山の滋養です。

栃の実は渋みがあり、処理にとても手がかかるそうです。渋みをとるだけで、一ヶ月ほども水にさらしたり、干したり煮たりするとのこと。

これぞ、「ご馳走」。一生忘れられない味になりました。

IMG_0003.JPG今年、井の頭公園で拾った栃の実。


「馳走」とは、読んで字のごとく、「走り回ること」。走り回って食べ物をとりそろえ、お客をもてなすことから、「おいしい食べ物」の意味になりました。
遠くからわざわざ取り寄せた珍味もいいけれど、足を使い、自分の目と手が届く範囲で、その土地でとれる新鮮な味を一生懸命集めてくる。それが、「ご馳走」の示している本来の意味であり「もてなし」なのかもしれません。

 
私がなぜ、「ご馳走」という言葉について考える気分になったかと言うと……
自転車で近所を走っている時、ふと、「栗」という一字が目に入ったのです。ここは東京23区内、杉並区の住宅地。
「えっ、何だろう?」
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 気になり、自転車のブレーキをかけてUターン。看板まで戻って見てみると、「くり」の文字。「お売りしています」とあります。矢印も書かれていて、何だか私を誘っているみたい。矢印の方向へと進むと、その先に大きな門がありました。

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門をくぐると、大きなお庭が広がっている。栗がたわわに実っている。軒先で、収穫した栗を家族で販売していたのでした。

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とれたての栗は、つやつやと美しく光っています。
「完熟した栗だから、甘いですよ。毎年、こうして販売しているんです。楽しみにされている方もいるのでね」とおっしゃる。地元でとれたての果物が手に入るとはと感激。私はさっそく栗を買い求め、ついでにお願いしました。
「収穫が終わって地面に落ちたイガを、いただいてもよいでしょうか?」IMG_0035.JPG

どうぞどうぞ、とのご返事をいただき、私は栗の木の下に屈みこみました。
素手でイガを拾うのは、想像以上にたいへん。ちょっと指先で触っただけでも、トゲが刺さる。痛い! 栗の実はなぜ、こんなに鋭いトゲで武装しているの? などと小学生に戻った気分で、イガ拾いを楽しみました。

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自宅へ戻り、さっそく栗を茹でると、ほんのりと芳ばしい、独特の香りが口の中に広がっていく。旬の時期にしか味わえない、本当の「おいしさ」。つやつやした茶色の皮、トゲに刺される痛さ、独特の香り、ホクホクの食感。これぞ「ご馳走」そのもの、と気づいたのでした。 

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 NHK衛星放送 世界の子育てを紹介する番組「プラネットベイビーズ」。

「五感と子育て」について、コメンテーターとして話をします。イタリアのワイナリーで五感をいきいきと使いながら暮らす一家のドキュメンタリーです。

http://www.nhk.or.jp/baby/onair/index.html
BShi 10月20日(水)午前7時~7時29分
BS2 10月21日(木)午後3時30分~3時59分

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山下柚実 (やましたゆみ) 作家/五感生活研究所代表

東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。身体と社会との関わりに関心を持ち、
美容整形エイズ問題、五感などをテーマに取材。『ショーン横たわるエイズ・アクティビスト』で、第一回小学館ノンフィクション大賞優秀賞。
著書に、『五感生活術』(文春新書)、『<五感>再生へ』(岩波書店)、『都市の遺伝子』(NTT出版)、『給食の味はなぜ懐かしいのか?』(中公新書ラクレ)、『客はアートでやってくる』(東洋経済新報社)、『年中行事を五感で味わう』(岩波ジュニア新書)他多数。
「五感」をキーワードにした講演や教育人材研修、ワークショップなども手がける。
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